鎌倉最古の寺 杉本観音

鎌倉最古の寺 杉本観音

撮影場所:杉本観音(鎌倉)
撮影日:2009/11/29
アクセス:JR「鎌倉」駅東口下車徒歩25分または「鎌倉霊園・太刀洗」行など金沢街道方面バス 「杉本観音」下車すぐ
地図:杉本寺ホームページ

鎌倉で、最も古い歴史を持つのは、杉本観音(杉本寺)というお寺です。
正式には、「大蔵山 杉本寺」といいます。

その歴史は大変古く、奈良時代の天平6(734)年に遡るといいますから、頼朝が鎌倉入りする約450年も前から、鎌倉の地に鎮座していたことになります。

お寺の境内へは、奉納された「十一面杉本観音」と書かれた白旗がはためく石段を登っていきます。
中腹にある仁王門には、朱色に塗られた仁王像がまつられており、門をくぐると、本堂へと続く美しく苔むした石段が目に入ってきます。
この苔の石段はもちろん立ち入りできないので、横の歩行用の石段を迂回します。

そして、小高い境内にたどり着くと、そこにたつのは茅葺き屋根の本堂。
この建物は、江戸時代の再建らしいですが、山寺の風情があって、なんとも味わい深いですね。

本堂には、開創の行基(ぎょうき)作のほか、中興の慈覚大師(じかくだいし)作、さらに恵心僧都(えしんそうず)作と伝わる十一面観音が本尊として安置されていて、この3体の観音様には、杉本寺の名前の由来となったユーモラスな伝説が伝わっています。

鎌倉時代初期の文治5(1189)年、隣家より起こった火災の火の手が寺に燃え移り、本堂が焼失するという災難が起きた。
そのとき、本尊としてまつられていた三体の観音像は、自力で境内の大杉の下に避難して難を逃れたため、人々は「杉本観音」と呼ぶようになった。

「火事だー、逃げるぞ!」と言いながら、境内を走る3人の観音様の様子を思い浮かべると、なんだか微笑ましいですね。

杉本寺は、板東三十三観音霊場と鎌倉三十三観音霊場の第一番札所。
第二番札所の逗子市の岩殿寺(がんでんじ)へと続く巡礼古道は、住宅地の造成などで寸断されているものの、古の信仰の道の面影を今に伝えています。