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京都の名庭めぐり「東滴壺」極小の宇宙

紫野の大徳寺へ

大徳寺山門の「金毛閣」

(写真:大徳寺山門の「金毛閣」)

洛北の紫野(むらさきの)と呼ばれる地に、大徳寺という大きな禅寺があります。

このお寺は、説話に出てくる頓智(とんち)で有名な小僧、"一休さん"のモデルにもなった、一休宗純(いっきゅうそうじゅん)が住持を務めた寺として知られています。

また、金毛閣(きんもうかく)と呼ばれる大徳寺の山門改修にあたり、千利休が、自身の木像を山門二階に置き、その股下を秀吉に通らせたことで怒りをかい、それが切腹せざるをえなくなった原因の一つとも言われます。

極小の宇宙

この大徳寺には、数多くの塔頭(たっちゅう 大寺院の境内にある支院のこと)がありますが、これらの塔頭は、すぐれた「禅の庭」の宝庫。

深山から流れ出た渓流が、大河となって流れ行く様を"砂"と"石組み"だけで表現した大仙院の石庭なども素晴らしいと思いますが、私が特に感銘を受けたのが、龍源院にある"世界最小の石庭"といわれる「東滴壺(とうてきこ)」です。

廊下を進んでいくと建物と建物のあいだに、まるで"うっかり"できてしまったような、ほんの狭い空間があり、そこにその庭はあります。

世界最小の石庭ともいわれる「東滴壺」

(写真:世界最小の石庭ともいわれる「東滴壺」)

波のない静かな水面に、ポツンと滴った水滴から、次第に広がっていく波紋。

表現しているのは、恐らく、ただそれだけのこと。しかし、

この水滴が滴ったのは、道端の水たまりかな?

それとも、どこかの湖?

もしかしたら、太平洋の真ん中かも。

大河の流れも、最初は、一滴の水の滴りからはじまるんだよね。

いや、無限に広がる宇宙だって、最初はビッグバンから始まったというぞ。

見ているうちに、このわずか4坪の空間に「無限の広がり」が感じられるようになってくるから不思議です。

小さな空間を、どこまで広げることができるかは、見る者の想像力次第といったところ。

四畳半の茶室を、芸術の発露の場として自在に操った利休よろしく、想像力を駆使して時間を楽しむのもよし。

もちろん、何も考えずに、ひねもす、ボーッと庭を眺めているのもよし。

あれ、いつの間にか、もう夕暮れだ。

今夜は、先斗町(ぽんとちょう)にでも、飲みに繰り出してみようかな(笑)。

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