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めったに雪が降らないという明日香村で大雪に遭遇

のどかな田園風景が広がる明日香村

のどかな田園風景が広がる明日香村

(写真:のどかな田園風景が広がる明日香村)

古代史の里、飛鳥(奈良県明日香村)は、何度か訪れていますが、印象深いのは2008年の冬に訪問したときのこと。

明日香村ではめったに降らないという大雪に遭遇。一面真っ白になった田園風景や、雪に覆われた古代石造物など、貴重なショットが撮影できました。

ちなみに、村の名前は「明日香」、飛鳥時代、飛鳥寺などというときは「飛鳥」の字を当てますが、いずれも「アスカ」と読みます。

2月の上旬、奈良県西部、大阪府に境を接する葛城市の當麻寺(たいまでら)を訪問した後、近鉄電車で明日香村に向かいました。

飛鳥には昼頃に到着し、午後は飛鳥の地を一望できる「甘樫丘(あまかしのおか)」に登ってみたり、飛鳥寺で「飛鳥大仏」を拝観したりと観光し、夕方、予約しておいた民宿に入りました。

その夜、あまりにも冷え込むので宿のご主人に、

「雪になったりしないですかね?」

とたずねると、

「いやー、明日香では、この2、3年、雪なんか降ったことないですよ」

とおっしゃる。

すると、同宿の四日市から来たという男性が、

「私は車で来たので、雪になったら困っちゃうな」

といいます。

そんな話をしながら、飛鳥名物の、鶏ガラの出汁と牛乳で煮込む「飛鳥鍋」とお酒でホクホク温まって、その夜は寝てしまいました。

飛鳥では、めったに降らない大雪に遭遇

翌朝、起き出して、ちょっと散歩でもするかと、飛鳥寺や伝・飛鳥板蓋宮跡(いたぶきのみやあと)あたりを歩いていると、空から白いものが舞い降りてきます。

「雪だ!」

と思う間に、どんどん激しくなってきます。

都会のアスファルトと違って、田んぼとあぜ道ばかりの明日香村のようなところでは、雪が溶けないからどんどん積もるのですね。

小一時間もすると、バスも坂を登れなくなって立ち往生したりして、大変なことになっています。

すると、向こうから、昨夜、一緒に鍋をつついた四日市の男性が来て、

「いやー、困った。こりゃ本当に雪になっちゃったね」

と苦笑い。

結局、この人は車を置いていったん家に帰り、後日、車を取りに来ることにして、帰宅されました。

雪の飛鳥寺

(写真:雪の飛鳥寺)

宿のご主人も、最近は滅多に見ないという、雪化粧した明日香村の景色。

これは貴重な絵になるな、と思いながら、その日一日、雪の中を歩きまわって、レンズを何度もふきながら撮影を続けました。

聖徳太子生誕の地といわれる橘寺(たちばなでら)も雪化粧していました。

昨日、訪れた飛鳥寺を再訪すると、真っ白に…。「飛鳥大仏」も寒さに凍(こご)えていたことでしょう。

雪の中を「鬼の雪隠」へ

ナスカの地上絵や、イギリスのストーンヘンジなど、古代遺跡というのは不思議に満ちていますね。

誰が、いったい何のために、こんなものを造ったのか。

しかも、今のような工作機械などなかった時代にどうやって造ったのだろうと、謎は深まるばかりです。

さて、明日香には、有名な「石舞台古墳」をはじめ、「亀石」、「猿石」、「酒船石」、「二面石」など大小様々な石造物があって、これらを見て歩くのも、飛鳥散策の楽しみ。

鬼の雪隠

(写真:鬼の雪隠)

中でも、ユニークだと思うのが、「鬼の俎(まないた)」と「鬼の雪隠(せっちん)」。

「鬼の俎」は巨大な平べったい石、「鬼の雪隠」は石の中央部分が削り取られた不思議な形の石です。

ちなみに、「雪隠」というのはトイレのこと。

その昔、この辺り一帯は「霧ヶ峰」という、霧深い土地でした。

霧が濃くなると鬼が現れ、道に迷った旅人を捕まえて、俎で調理し、雪隠で用を足したのだとか。

なるほど、鬼がこの巨大なトイレにまたがって用を足している姿、想像できますね(笑)。

「鬼の俎」と「鬼の雪隠」は、数十メートル離れた場所にありますが、元は同じ遺跡(欽明天皇陵)の石室に使われていた石材だったのだろうと思われます。

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