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冠雪した「女人高野」室生寺の五重塔

冠雪した室生寺の五重塔

(写真:冠雪した室生寺の五重塔)

奈良市の南東に位置する宇陀市の"室生の里"にたたずむ室生寺。

室生の里は、最寄りの近鉄大阪線の「室生口大野」駅からおよそ6.5km、バスは1時間に1本のみという、かなり辺鄙(へんぴ)な山里です。

室生寺は、昔、高野山金剛峯寺が女人禁制だった時代に、女性の参詣を許したことから、別名「女人高野」と呼ばれるお寺。昔は、多くのお寺で、女人禁制だったのですね。

かつて、昭和を代表する写真家、土門拳は、何としても雪の室生寺を撮りたいと、何年もの間、冬に室生寺を訪れたけれども、なかなか雪に巡り合うことができなかったそうです。

ようやく冠雪した室生寺を撮影することができたのは、昭和53年3月。彼がライフワークである「古寺巡礼」の撮影を開始したのが昭和14年ですから、実に40年近い歳月が流れていました。

私ははじめて訪問した2008年冬に、雪化粧した室生寺を目にする幸運に恵まれました。

さて、以前からぜひとも一度、見ておきたいと思っていたのが、屋外に建つ歴史ある五重塔としては我が国最小(16.1m)という、室生寺のかわいらしい五重塔(国宝)。

かわいらしいというだけでなく、西暦800年頃の建立といいますから、実に1200年以上の歴史を持つ、由緒正しい塔でもあります。冠雪した五重塔、美しいですね!

ところで、この五重塔、1998年9月の台風のときに、近くの杉の木が倒れかかり、大変な損傷を受けました。

私もニュースで見た記憶があります。木が倒れかかった北西側は、屋根がえぐれてしまい、本当に痛々しい姿になっていました。

お寺の方も、一時はもう、塔を解体しなければならないかもしれないと思ったそうです。

しかし、不幸中の幸いにも心柱が傾かなかったことや、ニュースをきいた全国の方からの寄付が集まったこと、また、お寺の山に檜皮葺屋根の修復の材料となる檜が300本ほどあったことなども幸いし、2年後の2000年には修復工事が完了しました。

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