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凍れる音楽(薬師寺東塔)

薬師寺東塔

(写真:薬師寺東塔)

薬師寺は、東塔と西塔という2つの塔が並び立つ姿が印象的。

東塔は、国宝で、薬師寺で現在も唯一残る「白鳳時代」の建築。「白鳳時代」というのは、いつのことかというと、これは美術史でしか使われない時代区分で、

広い意味では、大化の改新(乙巳の変)のあった645年頃~平城遷都の710年まで
狭い意味では、法隆寺が焼亡した670年頃~平城遷都の710年まで

を指します。ちなみに、それ以前を「飛鳥時代」、それ以後を「天平時代」と呼んでいます。

薬師寺東塔

(写真:薬師寺東塔)

東塔は、裳階(もこし)という小さな屋根が付いている為、一見六重に見えますが、実際は三重塔。調和のとれた美しい姿は、明治時代に、アメリカ人の東洋美術史家・フェノロサは、「凍れる音楽」と絶賛しました。

「凍れる音楽」の意味は、あえて説明する必要ないとは思いますが、屋根と屋根の間に裳階をつけた東塔の外観は動きのある旋律のようであり、それでいて気品のある造形美が、まるで、美しい音楽をその場に瞬間的に凍らせてしまったようだ、というわけです。

これに対し、西塔は、昭和56年の再建。建物自体の重量による沈下や木の縮みを計算し、東塔よりもやや高めに建てられています。

長い年月の風雪に耐えた東塔と、再建されたばかりで煌びやかに彩色された西塔。印象的な対をなす2つの塔。

東塔は、さすがに奈良時代の建物ということで、あちこち傷んでおり、解体修理工事中で、次にこの美しい姿を見ることができるのは、2020年頃の予定とのことです。

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