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春日大社の「林檎の庭」で、地球の明日について考える

奈良で鹿が「神の使い」とされる理由

奈良公園の鹿たち

(写真:奈良公園の鹿たち)

春日大社は、平安貴族の藤原氏の氏神をまつる神社。

奈良公園周辺には、およそ1200頭もの鹿が生息しているそうですが、藤原氏が、春日大社創建にあたり、常陸国(茨城県)の鹿島神宮の神を勧請したときに、神様が白鹿に乗ってやってきたとの伝説から、"神の使い"として大切にされてきたのだそうです。

鹿島神宮も訪問したことがありますが、鹿島神宮の鹿は、フェンスに囲まれた中で飼われているので、それに比べると、奈良の鹿たちの、なんとのびのびとしたことよ、と思います。

しかし、奈良では鹿による農作物の被害が深刻で、2012年には"駆除"を検討したところ、全国から苦情が殺到し、凍結になった、などという話がニュースで報じられたこともありました。

林檎の木を見て、地球について考える

さて、春日大社を訪問したときに興味深かったのが、境内にある「林檎の庭(りんごのにわ)」。古来から、この庭の林檎の結実の多少によって、その年の農産物の豊凶を占ったそうです。

春日大社の林檎の木

(写真:春日大社の林檎の木)

そして、ここに来て、なぜか思い出したのが、元東京都知事、石原慎太郎氏によって、ポーランドの詩人・ゲオルグの言葉として紹介された次の言葉です。

たとえ地球が明日滅びるとも、君は今日リンゴの木を植える

イギリスの物理学者・ホーキング博士によれば、我々の宇宙に地球と同程度の文明を持つ星が200万ほどあるといいます。

しかし、我々は彼らと遭遇しません。それは何故か。

それは地球ほどの文明を持つようになると、自然の循環が狂い、加速度的に不安定になる。そして滅亡してしまうから、だそうです。

なるほど。確かに全地球規模で見ると、我々の文明も、もはや衰退期に入っているように感じることが多いですね。

文明の発展が、人類、ひいては地球上の動植物の最終的な幸福に相反する方向に向い始めている。これは、文明の衰退以外の何ものでもないといえるでしょう。

もし、ホーキング博士の言葉が正しければ、もはや何をやっても手遅れなのかもしれません。

しかし、だからといって浅はかな虚無主義や諦観に陥ることなく、「今日」できることを真剣に考え、取り組む。これが上記の言葉の趣旨ですね。

全地球レベルの話だと、なかなか現実味がわきませんが、身近な例で言えば、奈良をはじめ、京都や鎌倉など歴史ある古都を歩いていると、「もはや日本の伝統美は失われた」と嘆かざるを得ないほど、景観破壊、環境破壊が進んでしまっています。

だからといって諦めることなく、今、我々が取り組まなければならないことは何か、真剣に考えなければなりません。何が、最終的に人類のみならず地球全体の幸福につながるのか。

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